位置・構造告示第2第6号に規定する光庭は、「その周囲を特定共同住宅等の壁その他これに類するものにより囲まれている」ことを要件としているが、その周囲の一部分が部分的に開放されていても、同程度の閉鎖性を有すると認められる場合にあっては、光庭として取り扱うものとすること。
なお、図8-7-1及び図8-7-2に示す開放性を有する廊下又は階段室等に面する吹き抜けにあっては、位置・構造告示第2第8号に規定する特定光庭には該当しないものであること。
この場合において、開放性を有する廊下の手すり等の上端からはり、たれ壁等の下端までの高さは1m以上必要であること。
(1) 共住区画を形成する床又は壁の構造
位置・構造告示第3第3号に規定する「特定共同住宅等の住戸等は、開口部のない耐火構造の床又は壁で区画すること」とは、住戸等と住戸等又は共用部分の間を耐火構造の床又は壁により防火区画することをいうものであり、建基令第107 条第1号に規定する耐火構造に求められる耐火性能を有し、かつ、堅ろうで容易に変更できない構造を有するもので次に示す構造をいうものであること。
(ア) 施工方法が、当該乾式壁の製造者により作成された施工仕様書等により明確にされており、かつ、施工実施者に周知されていること
(イ) 乾式壁の施工に係る現場責任者に当該乾式壁の施工に関し十分な技能を有するもの(乾式壁の製造者の実施する技術研修を修了した者等)が選任されており、かつ、当該現場責任者により施工実施者に対して乾式壁の施工に係る現場での指導・監督等が行われていること
(ウ) 乾式壁の施工の適正な実施について、自主検査等により確認が行われ、かつ、その結果が保存されていること
(2) 住戸等の外壁に面する開口部 住戸等の外壁に面する開口部は、位置・構造告示第3第3号(2)に規定するもののほか、次による。
(ア) 隣接する住戸等の場合
(イ) 上下に位置する住戸等の場合
(ア) 火災住戸等の開口部の最大幅から上方の左右の壁面方向に15°開いた範囲外に存する他の住戸等の開口部には、防火設備を設けないことができること。この場合において、火災住戸等の開口部が、四角形以外の形状(以下「円等」という。)の場合は、当該円等が内接する長方形を当該住戸等の開口部とみなすものであること。
(イ) 火災住戸等の開口部の最大幅から上方の左右の壁面方向に15°開いた範囲内に存する他の住戸等の開口部のうち、開口部相互間の垂直距離が3.6m以下の範囲(火災住戸等の開口部の上部0.9mの範囲を除く。以下「開口部破損検証範囲」という。)については、上下の開口部間の垂直距離Zが、次のAからFまでの 手順により求めた限界垂直距離Zlimより小さい場合に、当該他の住戸等の開口部(図 8-7-4中の開口部1をいう。)に防火設備を設けること。ただし、当該他の住戸等の開口部が換気口等であり、かつ、防火設備が設けられた直径0.15m以下のもの又は開口部の面積が0.01㎡以下のものにあっては、この限りでない。
ΔTは、他の住戸等の開口部の材料の許容温度と周囲の温度との差(単位ケルビン。以下同じ。) Tlimは、他の住戸等の開口部の材料に応じて、次の表により求められる許容温度 (単位ケルビン。以下同じ。)
開口部の材料 | 許容温度 |
フロートガラス | 373K |
フロートガラス(飛散防止フィルム付) | 423K |
線入りガラス | 673K |
※ 開口部の材料として上記以外のガラスを用いる場合の許容温度については、試験データ等により判断すること。
r0 は、火災住戸等の1の開口部から噴出する熱気流の等価半径(単位メートル。 以下同じ。)
A は、火災住戸等の1の開口部の面積(開口部がサッシ等により連結している場合は、当該開口部を1の開口部として取り扱う。単位平方メートル。以下同じ。)
π は、円周率
Qは、火災住戸等の1の開口部から噴出する熱気流の発熱速度(単位キロワット。以下同じ。)
H は、火災住戸等の1の開口部の高さ(火災住戸等の開口部が円等の場合は、当該円等の最高の高さ。単位メートル。以下同じ。)
(A) Dにより求められるΘの値が0.35以下の場合
Zt は、開口部の材料の許容温度となる噴出気流の垂直距離(単位メートル。以下同じ。)
(B) Dにより求められるΘの値が0.35より大きい場合
F 限界垂直距離Zlimは、Eで求めた開口部の材料の許容温度となる噴出気流の垂直距離Ztと次式で求めた火災住戸等の開口部上端からの火炎高さZLmのいずれか大きい方とし、火災住戸等の開口部と他の住戸等の開口部との垂直距離がZlimより大きい場合、当該他の住戸等の開口部に防火設備を設ける必要はないこと。
(3) 住戸等と共用部分を区画する壁
住戸等と共用部分を区画する壁に設ける開口部は、位置・構造告示第3第3号(3)に規定するもののほか、次による。
(ア) 当該住戸は避難階に存していること。
(イ) 当該住戸の主たる出入口以外の出入口から、直接又はバルコニーを経て屋外に避難できること
(4) 共住区画を貫通する配管等
共住区画を貫通する配管等は、位置・構造告示第3第3号(4)に規定するもののほか、次による。
準耐火構造の防火区画等を貫通する給水管、配電管その他の管の外径を定める件(平成12年建設省告示第1422号)
建基令第129条の2の5第1項第7号ロの規定に基づく適合表(水道用硬質ポリ塩化ビニル管)
参考:JIS一覧表
(1) 光庭に面する開口部が受ける熱量
位置・構造告示第4第1号(1)に規定する「火災住戸等以外の住戸等の光庭に面する開口部が受ける熱量」は、次のアからオまでの手順により求めること。
Lは、等価開口部から噴出する熱気流の高さ(単位メートル。以下同じ。)
HXは、等価開口部の高さ(単位メートル)
S=L・W‥‥⑼
S は、等価開口部から噴出する熱気流の面積(単位平方メートル。以下同じ。)
W は、等価開口部の幅(単位メートル)
F は、受熱面に対する等価開口部から噴出する熱気流の面の形態係数 (Fが1を超える場合にあってはF=1とする。以下同じ。) β1及びβ2は、受熱面及び等価開口部から噴出する熱気流の面から垂直に延びる線と 受熱面 の中心点と等価開口部から噴出する熱気流の面の中心点を結んだ線のなす角度(単位ラジアン)
π は、円周率
d は、受熱面と等価開口部から噴出する熱気流の面の最短距離(単位メートル)その適用例を図8-7-8及び図8-7-9に示す。
光庭をはさんで「等価開口部から噴出する熱気流の面」と「受熱面」が正対する場合、β1及びβ2は0ラジアンとなり、F=S/πd2(ただしF≦1)となる。・・・式(11)
「等価開口部から噴出する熱気流の面」と「受熱面」が光庭において直交し、2面が交わった地点から「等価開口部から噴出する熱気流の面」及び「受熱面」が等距離 にある場合β1及びβ2はπ/4ラジアンとなり、F=S/2πd2(ただし、F≦1)となる。・・ 式(12)
※1°=π/180ラジアン
q=100F‥‥式⒀
q は、等価開口部から噴出する熱気流の輻射熱により評価対象住戸等の開口部又は避難光庭に面する廊下及び階段室等を経由して避難する者が受ける受熱量(単位キロワット毎平方メートル)
(2) 避難光庭
① 想定出火住戸等の等価開口部に最も近い非出火住戸等の出入口部分までの距離
② 想定出火住戸等の等価開口部に正対する廊下で最短距離となる部分の廊下中央部分までの距離
③ 受熱量が大きくなると想定される廊下中央部分までの距離等を想定するものであること。適用例を図8-7-10に示す。
(ア) 等価開口部から噴出する熱気流の発熱速度を次式により求めること。
Qx=400Ax√Hx‥‥式⒁
QXは、等価開口部から噴出する熱気流の発熱速度(単位キロワット。以下同じ。)
AXは、等価開口部の面積(単位平方メートル)
(イ) 避難光庭の底部に設けられる常時開放された開口部の給気開口率(避難光庭の底部の開口部と頂部の開口部の比をいう。以下同じ。)を次式により求めること。
r=100Sa/St‥‥式⒂
rは、避難光庭の底部に設けられる常時開放された開口部の給気開口率(単位パーセント)
Saは、避難光庭の底部に設けられる常時開放された開口部の面積(単位平方メートル)
Stは、避難光庭の頂部に設けられる常時開放された開口部の面積(単位平方メートル)
(ウ) 避難光庭における火災住戸等のすべての開口部から噴出する煙層の上昇温度を次式により求めること。
ΔTは、避難光庭における火災住戸等のすべての開口部から噴出する煙層の上昇温度(単位ケルビン)
αは、次式により求められる値
α=1.2+{1.32÷ ( r+0.66)}
Dは、避難光庭の幅(単位メートル)
(3) 特定光庭に面して設ける開口部
特定光庭に面する開口部及び当該光庭に面する特定共同住宅等の住戸等に設ける給湯湯沸設備等は、位置・構造告示第4第2号に規定するもののほか、それぞれ次による。
位置・構造告示第4第2号(2)ハに規定する「異なる住戸等の開口部の相互間の垂直距離」は、図8-7-14及び図8-7-15の例により、計測すること。
(ア) 給湯湯沸設備等は、次に定める基準に適合していること
(イ) 給湯湯沸設備等は、次に定める方法により設置すること
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